運命とは必然なもの

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人生ってわかんない








人生って何が起こるかわからないからおもしろいって人もいる








人生って何が起こるかわからないから怖いって人もいる








人それぞれだと思うけど、俺はよくわかんない








俺は神様ってやつは信じてないから運命っていうのは偶然じゃないと思う








運命は必ず起こるもの・・・・・・・・・必然だと思う








この日は大学の図書館にこもっていて帰るのが遅くなってしまった








外は真っ暗で時間は9時半になろうとしていた








早く帰らないと兄貴と弟に怒られると思った俺はいつもは通らない暗い裏道を通った







これが俺の最初の間違い








そしてこの時の俺は1週間後に控えていた査定のことで頭がいっぱいだったんだ








だからいつもはすぐに逃げれるのに逃げれなかった








「おい、姉ちゃん。何急いでんだよ。ちょっと俺に付き合えよ。」
「離せ!」
ガラの悪い男に手首を捕まれ動けなくなってしまった
「威勢のいい姉ちゃんだな。気の強い女も嫌いじゃないぜ。」
「あんたに好かれても嬉しくない!」
くそっ、いつもの服と靴なら逃げやすかったのに!
運の悪いことに今日の俺の服装は膝より少し長めのフレアスカートにブーツを履いていた
いつもはジーパンにシューズなのにあいつのせいで!
「ちょっとそこで茶飲むだけだぜ。いいだろ。まぁ、その後の安全は保障できねぇけどな。」
「嫌だって言ってるだろ!!」
こいつニヤニヤしながら言いやがって!気色悪ぃ!!しょうがねぇ、ここは強行突破でいくしかねぇか。
「おい、何してる。」
声のした方を向くと暗くてよく見えなかったがそこには男が2人立っていた。
「ボ、ボス・・・。」
頭上から男の震えた声が聞こえたから顔を見ると男は真っ青になって震えていた。
「俺の管轄内で勝手な真似をするなと言ってるだろう。」
「す、すみません、ボス!!」
「もう二度としないと誓うか。」
「は、はい!」
「じゃあ、もう行け。」
「はい!失礼しました!」
そう言って男は走り去ってしまった・・・・それよりこの男何者だろう・・・・
「大丈夫か?」
「ああ。お陰で助かった。ありがとう。」
「お嬢ちゃん、こんなとこで1人でいたらさっきみたいなのに絡まれるぜー。俺達が送ってやろうかー。」
「うるさい!お嬢ちゃん言うな!俺は1人で帰れる!じゃあな!」
「待て!」
俺はもう1人の男の言葉にむかっときて帰ろうとしたがさっきの男に呼び止められた
「なんだよ。」
「名前は?」
「はっ?」
「だから名前だ。」
「あんたが教えてくれたら教えてやってもいいぜ。」
「・・・・・・・俺の名前は教えることはできない。」
「じゃあ、俺も教えない。じゃ。」
「待て!俺の名前は・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その時、雲に覆われていた月が現れ、男と俺を映し出した
その男は、黒髪に漆黒の目を持つ男だった
俺はその目を見た瞬間、何故かこの男の名前を聞いてはいけない気がした
「やっぱりいい!」
そう言って俺はその場から立ち去った
後ろから男の声が聞こえたが俺は止まらなかった








「おい、なんで名前を教えようとしたんだ?」
「ただあの子の名前が聞きたかっただけだ。」
「はぁ?!なんだよ、それ。それにしても綺麗な子だったなぁ。」
「ああ。」
月が現れた時、あの子の姿が見えた
金色の髪に琥珀の目
あの瞬間俺は彼女に見惚れてしまった
「おい、見てみろよ。学生証だぜ。さっきの彼女のじゃねぇ?」
学生証は国立セントラル大学の学生証だった
顔写真と名前と生年月日と所属学科が書いてあった
顔写真は彼女だった
「・・・・・・・エドワード・エルリック・・・・・・・・」








これが彼女との出会い

これがあいつとの出会い